一般の方へ
住宅履歴活用のポイント
住宅履歴情報がある家とない家でどう違うの?
メリット1- 計画的な維持管理
- 竣工時の仕様の情報や過去に実施された維持管理の情報が明らかなため、必要な維持管理を計画的かつ効率的に実施できます。
メリット2- 合理的なリフォーム
- 住宅履歴情報を活用し修繕,改修・リフォームの計画を立てることができ,的確な予算・工期で希望にかなう合理的なリフォームを実現できます。
メリット3- 売買に有利
- 設計、施工、維持管理等の情報がある住宅は既存住宅として売買するときに、安心・納得して売買できるだけでなく、住宅の資産価値が適切に評価されます。
メリット4- 災害時の迅速な対応
- 災害時に住宅履歴情報に基づいて迅速かつ適切な復旧や補修ができます。
- 設備機器等に不具合があった場合の交換等の対応が円滑に実施できます。
どうしたら住宅履歴情報の蓄積・活用をはじめられるの?
- 新築住宅だけでなく既存住宅でも、また戸建住宅だけでなくマンションやアパート等、どんな住宅でもはじめられます。
- あなたが「きちんと住まいの図面や書類を残そう!」と思った時から住宅履歴情報の蓄積・活用はスタートするのです。
だれがつくったどんな情報を蓄積したらいいの?
- 蓄積する情報は、『新築段階』の情報と『維持管理段階』の情報の2つに大別できます。
- それぞれの段階で係わった人たちによって情報がつくられ、引き渡されます。
- 戸建住宅とマンションとでは情報内容も異なります。
- 分譲マンション等区分所有されている住宅の場合は、『専有部分』の情報を区分所有者が、『共用部分』の情報を管理組合が蓄積を行うことになります。
新築段階の情報とは?
- 戸建住宅は工務店、ハウスメーカー等から情報を受け取り、蓄積しましょう
戸建住宅で新築段階に蓄積する主な情報 | ||
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新築 段階 |
建築確認 | 新築住宅の竣工までに、建築確認や完了検査などの諸手続きのために作成された書類や図面 |
住宅性能評価 | 住宅性能評価書及び住宅性能評価を受けるために作成された書類や図面 | |
新築工事関係 | 住宅が竣工した時点の建物の状況が記録された各種図面や書類で、竣工までの様々な変更が反映されたもの |
- マンション専有部分はマンション分譲会社から情報を受け取り、蓄積しましょう!
(蓄積する情報は建築確認を除き、戸建住宅の場合と同じです) - マンション共用部分はマンション分譲会社から情報を受け取り、蓄積しましょう!
マンション共用部分で新築段階に蓄積する主な情報 | ||
---|---|---|
新築段階 | 建築確認 | 新築マンションの竣工までに、建築確認や完了検査などの諸手続きのために作成された書類や図面 |
新築工事関係 | マンションが竣工した時点の建物の状況が記録された図面や書類で完成までの様々な変更が反映されたもの | |
組合運営 | マンション管理 | マンション管理組合の規約など |
維持管理段階の情報とは?
- 戸建住宅はリフォーム事業者・メンテナンス事業者等と情報をやり取りし、蓄積しましょう!
戸建住宅で維持管理段階に蓄積する主な情報 | ||
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維持管理段階 | 維持管理計画 | 住宅の計画的な維持管理に役立つ、点検や修繕の時期及び内容の目安となる情報が記載された書類や図面 |
点検・診断 | 住宅の点検や調査・診断などを行った時に作成・提供される書類、図面、写真等 | |
修 繕 | 住宅の修繕工事を行った時に作成・提供される書類、図面、写真等 | |
改修・リフォーム | 住宅の改修・リフォーム工事を行った時に作成・提供される書類、図面、写真等 |
- マンション専有部分はリフォーム事業者等と情報をやり取りし、蓄積しましょう!
(蓄積する情報は戸建住宅の場合と同じです) - マンション共用部分はマンション管理会社等と情報をやり取りし、蓄積しましょう!
マンション共用部分で維持管理段階に蓄積する主な情報 | ||
---|---|---|
維持管理段階 | 維持管理計画 | マンション共用部分の長期修繕計画及び修繕積立金に関する情報 |
点検・診断 | マンション共用部分の点検や調査・診断などを行った時に作成・提供される書類、図面、写真等 | |
修 繕 | 管理組合がマンション共用部分の修繕や補修工事を行った時に作成・提供される書類、図面、写真等 | |
改修・リフォーム | 管理組合がマンション共用部分の改修・リフォーム工事を行った時に作成・提供される書類,図面,写真等 | |
組合運営 | マンション管理 | マンション管理組合の運営状況に関する情報 |
情報をうまく整理するコツは?
必要なときに必要な情報を的確に取り出せることは住宅履歴情報の活用のために重要です。
更新された情報は『情報更新台帳』と『情報更新図』で整理します。
- いつどのような維持管理が行われたかを表に記録する「情報更新台帳」
- 情報更新台帳は点検や修繕等を行った後に新しい情報を追加する際、いつどのような維持管理が行われたかの概要を記録しておくものです。
- いつどの様なことが行われ、どの情報項目が更新されたのかを容易に把握することができ、大変便利です。
- いつどのような維持管理が行われたかを図面に記録する「情報更新図」
- 情報更新図は点検や修繕等を行った後、その概要を一つの図面に書き加えて蓄積しておくものです。
- どの箇所にいつどのような点検や修繕等が行われたのかを容易に把握することができ、大変便利です。
どのように蓄積し、活用するの?
- 新築時の設計図書や施工記録等が住宅履歴情報のベースとなります。
- 点検、修繕、改修・リフォーム、売買等が行われるたびに、情報を蓄積していきます。
- 修繕、改修・リフォーム、売買等を行う際に、履歴情報が活用され、適切なリフォーム等が実施できます。
新築時
- 工務店等は、住宅の設計図や施工記録、建築確認書類、住宅性能評価書などの書類を住宅所有者に渡します。
- これらの書類が住宅履歴書のベースとなります。
点検・診断時
- 住宅所有者による点検が行われた場合、住宅所有者が点検記録を作成・蓄積します。
- 工務店等による点検が行われた場合、点検した者は点検・診断記録を整理・作成し、住宅所有者に渡します。
修繕、改修・リフォーム時
- 住宅所有者は、必要な住宅履歴情報を工務店等に提供します。
- 工務店等は、住宅履歴情報を活用して修繕や改修・リフォーム、設備の更新等を実施し、その記録を住宅所有者に渡します。
売買時
- 住宅履歴情報があることで、購入者は安心・納得して既存住宅を購入することができます。
- 住宅所有者は、引渡し時には住宅履歴情報を確実に次の所有者に引き継ぎます。
住宅所有者
- 住宅履歴情報の蓄積・活用を行う主役。
- 住宅を維持管理し、住宅履歴情報を蓄積し、情報活用者に情報を提供します。
- 住宅とその履歴情報をしっかりと次の所有者に引き継ぐことが求められます。
住宅履歴情報サービス機関
- 住宅所有者が行う住宅履歴情報の蓄積・活用を支援するサービス機関。
- 住宅所有者の依頼に基づき住宅履歴情報を適切に蓄積・活用できる仕組みを整備し、住宅所有者にかわって情報を保存・管理してくれる頼もしいサポート役です。
情報をつくる人
- 工務店・ハウスメーカー、リフォーム事業者、メンテナンス事業者等、住宅の履歴情報をつくる者。
- 自らの責任において情報を正確につくり、住宅所有者に確実に渡すことが求められます。
情報を活用する人
- 工務店・ハウスメーカー、リフォーム事業者、メンテナンス事業者、既存住宅購入者など住宅履歴情報を活用する者。
- 個人情報の保護に配慮し、維持管理や既存住宅売買等の場面において適切に住宅履歴情報を活用することが求められます。